真依愁人『Human Resorces』

 

―SEIKA MINORU PRODUCTIONのアマチュア作家、真依愁人。 彼の処女作『Human Resorces』が6月にHP上で発表される。

 

都内の大手通信事業会社、その人事部を舞台に、主人公・小林のチームが日夜巻き起こるハプニングを解決していくビジネス劇が描かれる本作。

 

その発表に先立って、SEIKA MINORU PRODUCTION運営スタッフのライターXが著者本人にインタビューを実施し、この作品に込めた想いを語ってもらった。

 

1.リアリティの追求―「スラムダンクとかワンピースみたいな、チームで頑張って何かをやり遂げるっていうポジティブな感じにしたかった」

 

X:何故この作品を書こうと思われたのですか。

 

真依:洗練されて小粋なビジネス小説を書きたいなと。あとは、自分ももう30を過ぎたいい大人になってきましたので・・小説は10代からずっと書き続けてきたんですが、アマチュアで誰にも知られてないとはいえ、やっぱり大人が楽しめる作品を作らないといけないって思いましたね。

 

X:そうなると、自然と作品の舞台も都内のオフィスになったという。

 

真依:そうですね。

 

X:個人的な読後感としては、通信事業社の実務や人事など、盛り込まれているナレッジがとてもリアルで現実的でした。

 

真依:ありがとうございます。リアリティにはこだわりましたね。虚構だからといって、その辺をまやかしにしてはいけないというか。専門用語とか、働く辛さとか、組織の嫌らしさ、人間のねじれた感情とかも、しっかり描くことにこだわりました。

 

X:そんなリアルな質感の中でも、主人公の小林をはじめ、作中の登場人物たちの生きざま、それから、彼らの織りなす<会話劇>そのものがすごく生き生きしていて、躍動感がありましたね。

 

真依:作品自体はオフィス内の人事部エリアが舞台ではあるけれども、決して室内的なテイストではなく、なんかこう、スラムダンクとかワンピースみたいな、チームで頑張って何かをやり遂げるっていうポジティブな感じにしたかったのもありますね。

 

X:確かに、全体としては前向きな雰囲気で、適度に皮肉も効いていたように思います。 真依:会社での出来事をただ描写するだけだと、どうしても30代があくせくするだけの無機質なトーンになってしまうので・・そこは総帥のキングオーサーさんから、「良い料理にはスパイスが必要だ。ユーモアや皮肉も交えたうえで、とにかく、読者がパッと読みやすい軽妙な会話にしろ!」と繰り返し言われまして(笑)。それでだいぶオープンで明るい雰囲気が加わりましたね。

 

X:やや脱線しますが、キングオーサーは真依さんの才能を本当に高く買ってらっしゃいますよね。それだけに、ワタクシが見ていて、一番真依さんがあーだこーだ言われてて不憫なんですが(笑)。

 

真依:いや、というか最初から意気投合してましたからね(笑)。もともとこのチームで小説を書かせてもらうようになったのも、彼の志というか、気概に触発されたところもありましたので、いい刺激になってます。

 

X:な、なるほど・・(苦笑)。

 

真依:僕もオフィス物を書いてはいますが、彼と議論するたびに、ビジネスやプロジェクト、チームビルディングに関する造詣にいつも驚かされます。かといって、「自分には小説の才能はない」といつも仰るんですが(笑)

 

X:となると、キングオーサーのそういったナレッジや企画力などが、そのまま真依さんの小説世界を描き出すにあたって役立っているわけですか?

 

真依:はい、まあ、とても良い関係だと思ってます。先日も作中のMTGシーンを巡って議論させて頂いて、文字通りの白熱教室になりましたが(笑)。

 

X:うわ~・・ご苦労様でした。

 

2.素敵な大人とは?-「何があったとしても、彼って翌日もまた会社に出社するんです」 X:その一方で、主人公でありチームリーダーである小林も、時として、悪感情の中で目の前の事象を振り回すようなシーンもありますよね。

 

真依:はい。ただ、何があったとしても、彼って翌日もまた会社に出社するんです(笑)。

 

X:確かに、言われてみれば・・・(笑)。

 

真依:素敵な大人って、「悪いことしません」とか、「完璧です」とか、そんなんじゃないと思ってるんです。完璧じゃなくて、弱くて、臆病で、そんなんも全部飲み込んで前に進もうとする、これが僕のなかで素敵な大人なんです。

 

X:そういう意味では、まさに小林はそれを具現化できたキャラクターですね。 真依:はい。まあ、そういうのって、小林に限らず、作中に出てくるすべての人物において一貫するテーマかもしれないですね。

 

X:今作では主人公の小林と仲間たちだけではなく、いわゆる<敵役>や<イヤな奴>も、どこか人間臭くて魅力的な人物が多いですよね。

 

真依:そうですね。僕の中では、当然、彼らにも彼らなりの想いや事情や欲求があって、その中で必死に生きているチャーミングな人たち、とも思ってます(笑)。

 

X:それは読んでいて十分伝わりました(笑)。

 

真依:なので結局、大人じゃなくて、<大人たち>。普通に仕事をしてて、夢も希望も失いたくない、前向きに人生を生きたい人々、そんな風に仕事に向き合っている大人たちの生態を描きたかったというのもあります。

 

3.読者へのメッセージ X:では最後に、読者の皆様へのメッセージをお願いします。

 

真依:日々、色々なしがらみや、数字に表れてこない想いなど、様々なものを抱えながらも頑張っているすべての社会人の皆さまに贈る作品です。手前味噌ですが、本作にはサラリーマン生活を送っていくうえでヒントになる物の考え方や捉え方、立ち振る舞いなどの要素がたくさん詰まっていると思います。そういった視点でぜひ楽しんでいただければと思います。また、もちろん、会社勤めの方以外でも、人間模様や心理的なドラマを十分に楽しんでいただける内容に仕上げています。どうぞよろしくお願いします!

X:ありがとうございました。

 

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